このブログの合格体験記シリーズをよく読んでいたということでお願いをして、しんさんに合格体験記を寄稿いただきました!
みなさん、こんにちは!
受験⽣時代、⼤変お世話になっていたブログの投稿者さんである
「書⼠ろぐさん」にお声がけいただき、今回⾊々とお話しさせていただくことになりました。
よろしくお願いいたします。
しんさん今回はよろしくお願いいたします!
しんさんのプロフィール
⼤学受験の際に特に熱⼼に勉強することもなく、いわゆる「Fラン」の法学部に進学しました。
⾝内に司法書⼠をしている者がおり、幼い頃から漠然と法律に興味があったためです。
「興味のない⼀般企業に就職してもすぐ辞めてしまうだろうな」と思い、⼤学2年⽣の12⽉から勉強開始。
専業期間と兼業期間の双⽅を経て4回⽬に合格することができました。
過去の本試験結果と本年度司法書士試験成績
午前択一 29/35
午後択一 28/35
記述 不 28.5
記述 商 21.0
計220.5点/280点 合格点216.5点
しんさんの使用教材一覧
- オートマ
- オートマ過去問
- オートマ記述式
- オートマでるトコ
- リアリスティック憲法
- リアリスティック供託法・司法書士法
- リアリスティック不動産記述
- 伊藤塾のセレクト過去問集
- TAC 答練本科⽣ 記述対策プラス
- 各種直前模試
オートマシリーズ
使用教材のメインはオートマシリーズです!
独学の方はオートマシリーズを選ぶ方多いですよね!
しんさんが選んだ理由は何ですか?
オートマを選んだ理由は、「司法書士 独学 テキスト」で検索した時、ブログ等で多くの人がオートマを紹介していたためです。
また、①独学で合格された方々のブログや動画があったこと、②費用の面(学習当初は学生だったため)で、予備校の選択肢はありませんでした。
- ⼝語調で読みやすい
- 情報量がちょうど良い
- 過去問が途中にあり、適当に読んでいないかの確認ができること
オートマは常体と敬体が混ざっていたり独特の⾔い回しがあったり、
ひとによっては苦⼿な⽅もいるかもしれませんが、記憶には残りやすいと思います。
また、これは悪い点と表裏⼀体なのですが、兼業時代を経験した私にとって、情報量の少なさは重要な⼀要素でした。
少ないといっても分量はかなりあります。「本体・でるトコ・過去問」の知識を全て網羅してやっと万全な知識になるイメージなので、今思えば他の教材と同じくらいの分量になるかもしれません。
しかも、オートマはある程度⽂章を読んだところで過去問が⼊ってきます。
これがあることで、間違った理解でインプットすることを防いだり、流し読みを避けたりすることができます。
問題を読んでいる最中に、⼭本先⽣の⾔葉が聞こえ始めたら合格に近いです
問題を解いていると講師の声が聞こえたりやテキストの該当箇所思い浮かぶという方結構いますよね!
逆にオートマのデメリットみたいなのはありますか?
他教材と⽐べ図表が全くないので、そういったテキストが苦⼿な⽅には合わないと思います。
ただ、ご⾃⾝で簡易的なメモや図表を取りつつ読み進めると記憶に残りやすいので、悪い点と⾔っても瑣末なものです。
オートマの記述は癖があると聞きますが、使ってみてどうでした?
オートマの記述問題は良い意味で意地が悪いです。
本試験形式と違うからという点で倦厭されがちですが、時間に余裕が
あるのであれば解くべきだと思います。
オートマ記述を解くことで、択⼀知識がどのように問われるかも多⾓的に勉強できると思います。
なるほど、ちなみに松本先生のリアリスティックも使用教材の中にありますが、複数の参考書を使用されたんですか?
補足用として憲法と供託・書士法だけ使用しました。
リアリスティックを使用した理由は、単純にオートマだと身についている感や手応えがなかったためです。
オートマよりももっと⼀般向けの⽂体で書かれていて、⼩⾒出し等で一旦思い出させるような書き⽅なので、
「想起」をしやすいテキストになっています。
「TAC 答練本科⽣ 記述対策プラス」
予備校の講座は姫野講師の記述の答練だと思うのですが、選んだ理由は何ですか?
YouTubeで先生のライブ配信等を沢山視聴していたのですが、毎度どの回も楽しそうに講義していて、「この先生とならこちらも楽しく勉強できそう!」と思い、姫野先生の講座を選びました
- 記述過去問を解く機会が強制的に作れること
- 本試験問題を徹底的に分析してくれていること
- あらゆる問題を解き、あらゆる論点を網羅してくれるため、記述への恐怖⼼がなくなること
TACの答練は総合力底上げ、科目別、合格力完成と3構成になっていて、どれも独学+オートマで知識量の少ない私にとっては難しく、模試と比べても難しい印象でした。
ですが、適当に難しい問題を出題するのではなく、漠然と覚えてしまうあやふやな論点をピンポイントに聞いてくる感じで、良問がとても多かったと思います。
各種模試について
模試に関しては、成績表の閲覧期限が過ぎており掲載できないので各予
備校の感想を述べようと思います。
伊藤塾の模試について
4 年間毎年受けました。
理由は安いから。これにつきます。
難易度に関しては、私と相性が悪かったのか⼤変難しく感じていました。
午前・午後の双⽅ともに20 問を超えられたのは通算して⼀度だけだと記憶しています。
LECの模試について
2 年⽬と3 年⽬に受けました。
4 年⽬に受講しなかったのは、値段と慣れにあります。
私は、4 年⽬はTAC を利⽤したこともあり、⾦銭的・時間的余裕がなくLEC のものは受講しませんでした。
ですが、⺟数が多いですし、⾦銭的・時間的余裕があれば受講することをおすすめします。
難易度についても標準的で良いと思います。
TACの模試について
4 年⽬に受けました。
よく調べずに受講することになったので知らなかったのですが、巷では⼀番難易度が⾼いと⾔われているようです。
ただ、私とは相性が良かったのか解きやすく感じていました。
ちなみに、過去4年間で⼀番良い成績はC判定です。
「模試の結果は気にするな」とよく⾔われますが、本当にその通りです。もちろん気にしてしまう気持ちはわかります。
ですが、変に⾃分を責めたり、諦めるようなことはしないでください。
しんさんの勉強スケジュール
1〜3年⽬(⼤学⽣・専業期間)
画像のような感じで時間割を組んでいました。
時間割は週ごとに作成し、当⽇になって「何からやろう」と悩むことがないようにしていました。
初めは学生だったので、授業の合間に勉強するスケジュールにしていましたが、
学年が上がって大学の授業が減るのに反し、資格勉強が長時間できるようになったため、徐々にこのスケジュールになりました。
基本的に1~3 年⽬は⼀⽇中勉強です。表の都合上休憩なしのように⾒えますが、10 分程度の⼩休憩は挟んでいました。
ですが、若いということもあり、かなり追い込んでいました。
1 年⽬は勉強時間を記録していなかったのですが、おそらく3 年⽬までで4000 時間程度費やしました。
時間割の中でテキストベースでどこまで進めるみたいな目標は作っていましたか?
ページベースの目標を作ったことはありますが、達成できずにモチベーションが下がったり、読み終えることだけが目標となってしまったため、すぐにやめました。
4年⽬(兼業期間)
流⽯に1年間専業で頑張った年の不合格は精神的にやられました。
そこで、バイトをしていた塾に準社員登⽤という形で就職します。
兼業になってからは時間割を組んでいなかったのですが、先ほどの時間割の15〜23 時が通勤・勤務時間に変わる感じです。
塾という職業柄、休憩時間はほぼなかったため、平⽇の平均勉強時間は5時間ほどでした。
休⽇の期間と変わりません。
どれだけ精一杯やっても「今日も○○時間『しか』できない」と自分を責める日々が続いて、それが一番のストレスでした。
また、会社の人に勉強していることを伝えていたので、「いついなくなるのかわからないやつ」という扱いをされながらの日々も苦痛でした。
体力面では、若いということもあり特に問題なしでした笑
しんさんのように専業から兼業になる方もいると思いますが、何かアドバイスや注意点はありますか?
「○年以内に合格できなければ撤退」のように、デッドラインを設けるのが良いと思います。
「働きながら勉強してるだけで凄い」と勘違いするようになると間違いなく合格が遠のくためです。
一方で、矛盾するようなことを言いますが、適度に自分を褒める時間を取ってもらいたいです。
責めることはいくらでも出来るので、頑張ってでも自分を褒める時間が必要だと思います。
しんさんの勉強方法
1年⽬
1年⽬に使⽤した教材はオートマ本体・記述問題集と伊藤塾のセレク
ト過去問集。勉強の中⼼は専ら過去問でした。
私の択一の勉強法は「オートマを読み、区切りの良いところで過去問に移る」の繰り返しです。
次に同じ知識を問われた時、どう思い出せば正解に辿り着くかを考え、それをテキストや過去問にメモしていました。
記述に関してはオートマ記述を解き進めていました。
B5サイズの紙にひたすら解く感じです。
1周目は全く解けないので、問題と解答を照らし合わせて論点を確認。
2周目からは少しずつ何も見ずに解くようにしていました。
毎日、不登法・商登法1問ずつです。
12 ⽉から勉強を開始したのですが、過去問もテキストも3 周程度しかできていないと思います。
また、オートマに記載されている売り⽂句の「暗記は不要」とか「基礎・基本だけで合格できる」を信じ込み、
「とにかく少ない知識で合格する!」と意気込んでいました。
そのため、不登法の「処分制限の登記・信託の登記」、商登法の「外国会社・法⼈登記」など、難解なところは勝
⼿に削っていました。
その結果が午前21:午後17の惨敗具合です。
2年⽬
⼀回⽬の本試験後、帰宅中に⾃⼰採点した私は絶望していました。
上記のような勉強で、最短期間独学⼀発合格ができると本気で思っていたためです。
2年⽬からは⼼を⼊れ替え、まずはオートマシリーズを揃えました。
1年目と勉強方法は変わらず「オートマを読み、区切りの良いところで過去問に移る」の繰り返しですが、前年度までで理解できている部分はいきなり過去問をやり、理由も含め正確に解けなかった場合のみテキストに戻るようにしました。
また、特に不登法なのですが、過去問とテキストを照らし合わせても結びつかない点が多く苦労していたので、
その2つの架け橋的な存在として、問題文が短くて論点がわかりやすい「でるトコ」を2年目から導入しました。
テキストと過去問の⽐率は3:7 くらいだったと思います。
1 年⽬と共通して問題集の⽐率が多いのは、問題を解いていると勉強した気になれるからです。
今思えば、この考え⾃体もまだまだ⽢かったですね。
同じような考えでテキストから逃げている⽅が、私の⼆の舞にならないことを願います。
おそらくこの年までで3000 時間弱は勉強していると思います。
オートマは3周、でるトコは5周、過去問は10周程度回しました。
結果的に、記述の基準点に4 点⾜らずに不合格でしたが、択⼀に限って⾔えばほぼ合格ラインに乗ったと考えていました。
3年⽬
記述基準点落ちの私は、とにかく記述に⼒を⼊れようと考えました。
まず⼿にした教材は、松本先⽣の「リアリスティック不動産登記法記
述式」です。
商登法はある程度⾃信があったので使⽤しませんでした。
私は、書籍の解き⽅を完全に採⽤したわけではありませんが、「独学の⽅にとって、こちらの書籍は必須になると⾔っても過⾔ではありません。
本試験も、記述に限って⾔えば上位の結果を残すことができましたが、択⼀の勉強を疎かにした結果、総合点に2 点⾜らずでした。
Twitterで「択⼀は⼤丈夫だから記述に専念する!」という⽅をお⾒受けしますが危険だと思います。
みなさん⼝を揃えて⾔うように「全てがバランスよく⾝について初めて合格できる試験」だからです。
4年⽬
2 年連続数点⾜らずで不合格のため、ここでついに予備校を頼ります。
相続に関する記述問題が壊滅的に苦⼿だったのですが、令和4 年は相続が出ると⾔われていました。
そのため、択⼀ではなく記述の講座(TAC 答練本科⽣ 記述対策プラス)を受講することにします。
記述は姫野先⽣に丸投げし、択⼀を伸ばすことに注⼒しました。
前年までと⼤きく変化させたのは、テキスト中⼼の学習にした点です。
受験する度に意識して少しずつ覚える量を増やしていましたが、数点足らずの不合格を2度経験し、このままでは「確実な合格」まで時間が掛かると焦りました。
そこで、問題の周辺知識を覚える勉強ではなく、テキストを覚える勉強の方が良いのではないかと考えました。
問題の周辺知識となると自分で取捨選択しますが、プロである講師の方が絞った知識(=テキスト)の方が確実であると気付いたためです。
また、本試験問題とテキストの照らし合わせをし、殆どがテキストのみで解けるということを自分で確認できたことも、テキスト中心にした理由の一つです。
具体的に行ったことはスローペースで、丁寧に暗記しながらテキストを読み進めました(一言一句ではないです)。
オートマは文章中に知識が散らばりがちなので、自分で「原本還付不能なものは4つ。1つ目は…」のように、整理しながら進めました。
リアリは元々まとめられている箇所が多かったのでそのまま覚えました。
そして、覚えたものを「5分後、10分後、30分後…」のように間隔をあけつつ確認するかたちです。
次に確認するまでの時間は、並行して他の知識を覚えたり、問題集や記述の講座を受講したりしていました。
問題集は勉強した気にはなりますが想起しにくいところが弱点です。
兼業の私にとって、仕事の隙間時間は想起の時間でした。
そのため、テキストを⾒ずに内容を想起できるような勉強を意識しました。
4年間の総括(勉強法について)
四年の勉強を通してわかったことは、「勉強⽅法に正解はない」と⾔うことです。
私は、テキスト中⼼にしても過去問中⼼にしても、択⼀が得意にはなれませんでしたが、合格することはできました。
「間違った勉強法はあっても正解の勉強法はない」と考えています。
最後に
ほぼ⼼情について吐露するような内容になってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
より詳細な学習内容等知りたい⽅は、DM もしくは質問箱で聞いていただけますと幸いです。
この試験は本当に過酷だと思います。
ですが、経歴や学習・家庭環境など、苦労した⽅が必ず合格する試験ではありません。不幸⾃慢⼤会ではないからです。
⼭登りもそうですが最短ルートは最も急な坂道です。
⽇々前向きに、とにかく⽴ち⽌まらずに継続してください。
これを読まれた皆様が合格されることを祈念しております。
しんさんありがとうございました!