司法書士試験の記述対策に定評があるといえば、伊藤塾の山村拓也講師の名前が上がってくるかと思います!
私自身伊藤塾の入門講座から山村講師の記述の解き方で学んでいて記述に対して苦手な意識はありません。
そこで、今回は山村講師の記述の解き方に関して実際のところどうなのか紹介したいと思います!
伊藤塾山村講師の記述の解き方とは?
伊藤塾の山村講師の記述の解き方は、答案構成用紙を使って、事実関係や権利関係をビジュアル化して、その上で実体判断などをして思考の流れを目に見える形で残す解き方です。

【不動産登記の答案構成】

【商業登記の答案構成】
問題で登記に絡みそうなところをメモし、どの登記をどのようにしていくかを答案構成に落とし込みます。
このように答案構成を使うことで、自分の頭の中を整理することができ、自分の思考過程を目に見える形で残すことで問題を理解しやすくなるのがメリットです。
また、文字に残すことで、登記に絡む事項で覚えておかなければならないことをうっかり忘れてしまうというというのも減らせます。
おそらく記述が得意な方・点数が高い方は思考を整理することがしっかり出来ている方だと自分は思います。
もちろん、答案構成用紙を使わずとも、上記のことが頭の中で整理できるのであれば、使う必要はありません。
ですが、頭の中で整理ができない、うっかりミスをしてしまうという方は答案構成をすることによって改善することができると思います。
なぜ答案構成をしたら時間が足りなくなるの?
答案構成をすると時間がなくなるとおっしゃる方がいるのですが、その原因について考えてみました。
答案構成の用紙に書きすぎ
答案構成用紙に書こうと思えば結構色んな情報を書けます。
ただ、答案構成に拘りすぎて、書きすぎてしまったり丁寧に書いていると実際に解答用紙を書く時間がなくなります。
答案構成はあくまで頭の中の思考を整理するメモと考えた方が良いです。
最初の画像の答案構成は山村先生の答案構成です。
記述に慣れていない人はまずこの型を目指して始めるのが良いのは間違いないのですが、答案構成はあくまで問題を解くためのメモ(ツール)なので、慣れてきたら自分なりに使いやすいように、文字を省略したり、「いらないなー」と思った記載はどんどん省略したりしていくのが良いです。
繰り返し答案構成で記述を解くことで、「これを書く必要がないな」「ここをしっかり書いておこう」というのが分かるようになってきます。
山村先生も「大事なことは、どういう思考を辿って、問題を解いていくか。そのためには自分なりの答案構成を作ってください」と仰っています。
答案構成は山村先生の解き方をただ真似て写すのではなく、自分で答えを導き出せるようにする必要があるんです。
実際は悩んでる時間が長い
問題を解きながら並行して答案構成用紙に情報を記載していきます。
その時に「これは何の登記を要求されているんだろう」「あれっこれってどう処理するんだろう」と悩んでいる時間が長かったりします。
実際に記述を解くのが速くて得意な方は悩んでいる時間が少なく、どんどん連想出来るようになっていると思います。
例えば、「相続が発生➡遺言があるかどうか➡遺言がなかったら、以前死亡・欠格・廃除・相続放棄はあるか➡法定相続人は誰か」みたいに止まらずに思考できます。
記述が解けるようになってきたり、速く解けるようになると、上記のようにどんどん思考が止まらずに処理していけるようになってきます。
そもそも書くスピードが遅い
そもそも書くのが遅いという人は、早く書けるように訓練する必要はありますが、書くよりも別のところでスピードを上げるというのも大事です。 ただし、上記にも記載してありますが、あくまで記述が早く解けるようになるには書くスピードよりも思考を早くする必要があると思います。
実際に答案構成を使って問題を解いている感想
答案構成をすることで、とにかくミスを最小限にすることができていると実感しています。
やはりビジュアル的に残すことで、頭の中を整理しやすくなって枠ずれや登記し忘れなどを防げるからだと思います。
思考過程を明確にするという点で、優れていると思います。
また、答案構成をしていることで復習の際に自分がどこで迷ったのか、どこで判断ミスをしたのかが振り返りやすく、問題を解けない日も答案構成で間違えたところさくっと見直して思考のプロセスを辿る練習ができます。
このおかげで短い時間でも記述の復習をすることできます。
ただ、答案構成を取り入れて急に記述が出来るようになるのは難しいかなと思います。
というのも繰り返し繰り返し答案構成で問題を解き自分なりにアレンジをしながら、自分に必要な部分だけを答案構成できるようになっているからだと思います。
なので、答案構成を使って記述を解くという方は中途半端にやらずにしっかり自分のものになるまでやると決めてやった方が良いです。
まとめ
・記述式答案構成は、事実関係や権利関係をビジュアル化して、その上で実体判断などをして思考の流れを目に見える形で残す解き
・答案構成はあくまで問題を解くためのツール
・自分で答案構成をアレンジしよう
山村講師の解き方で記述を解くか関係なく、司法書士試験の記述が上手くいかないという方は、まずは自分の思考過程がどうなっているのかに注目してみると良いと思います。
思考過程をふっとばして、ただ答えをみるだけだとなかなか記述の力がつかないです。
そして、何度も繰り返し同じ問題を解いて自分なりの解く手順を見つけると記述はぐっと良くなると思います。
また、記述だけではなく、択一の答練も取りたい方には、択一と記述の答練がセットになった演習コースがおすすめです。